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GRANDE RETROSPECTTIVA DEL CINEMA ITALIANO : DAL MUTO AGLI ANNI80 2001年11月13日〜2002年2月24日、東京・東京国立近代美術館フィルムセンターにて |
こちらは、第1期(2001年11月〜12月)で観た作品です [12作品]
邦題五十音順 [ある愛の記録] [崖] [鞄を持った女] [現代の英雄] [高校三年] [こんなに悪い女とは] [慈悲なき世界] [白い天使] [トトのイタリア自転車レース] [にがい米] [マロンブラ] [ミラノの奇蹟]
簡単な感想のみを書いています。映画に関する詳しい情報は公式HPへどうぞ!
おもしろ度★4つが最高
ある愛の記録CRONACA DI UN AMORE 1950年/日本未公開作品/監督ミケランジェロ・アントニオーニ/出演ルチア・ボゼー、マッシモ・ジロッティ ★★★ |
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かつては恋人同士だった男と女、片やその美貌ゆえにブルジョア家庭の座に収まり、もう一方は仕事にあぶれ日々の暮らしさえも危うい、そんな二人が数年後に出会い、またまた恋の炎が燃え上がり・・・・・
と、これじゃあ最初っから結末が見えそうなお話かもしれない。でもこれはアントニオーニの作品。こと情事に関しては筋金入りだ。最近のものでいうと『愛のめぐりあい』などがあるが、男と女が出会って別れる、ただそれだけのことを、こんなにも劇的に(ちょっとサスペンスが入っている)描くなんてやっぱり凄い。 金持ちで美しいがゆえにわがままの通る環境にいる女、そんな女に翻弄されながらも現実(=自分)の姿を見据え続ける男。主役の女性ルチア・ボゼーの美しさに惑わされたのは彼だけじゃない。 |
崖IL BIDONE 1955年/日本未公開作品/監督フェデリコ・フェリーニ/出演ブロドリック・クロフォード、リチャード・ベイスハート、ジュリエッタ・マシーナ/ヴェネチア映画祭出品 ★★ |
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根っからの悪党は死ぬときも悪党らしく死ね!
そんな感じでつくったのかな?フェリーニは。善良な市民の弱みにつけ込み詐欺を働く、そんなプロの集団がイタリアにいたっておかしくない。でもそんなイタリアだからこそ、彼らの人生を精細かつ感情豊かに描くこともできる。そして最後に見せる男の死にざまも壮絶だ。(後ろに座っていたイタリア人男性はちょっと泣いていたっけ) 全体的にみてちょっと退屈な感じの作品。でも詐欺師たちの、人を騙す技を見るのはおもしろい。気が「抜け」るところがないのがちょっと辛いところかな。でも主役の男ブロドリック・クロフォードの人の良さそうな顔はちょっといい。あんな顔の人間に、人は騙されるもんなんだね。そして、別れて暮らしている自分の娘を見る彼の視線のやさしさにほろり。役者だね。 原題の「IL BIDONE」は、隙あればすぐにつけ込もうとする人物、ペテン師を意味する俗語らしい。 |
鞄を持った女LA RAGAZZA CON LA VALIGIA 1961年/監督ヴァレリオ・ズルリーニ/出演クラウディア・カルディナーレ、ジャック・ペラン ★★★ |
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とにかくクラウディア・カルディナーレが素敵!
彼女はこの映画の中では、『山猫』のときのように煌びやかな衣装に身を包んでいるわけじゃない。イトーヨーカドーで買ったようなTシャツとスカートを着ていても色気たっぷり。おまけに髪はいつも乱れてぼさぼさ状態。まるで洗濯女のようだ。それもそのはず、この中の彼女はアイーダという名前の旅芸人(歌手)の役。自分を騙した男を探して彷徨う女を演じるのだけど(だからいつも鞄を持ち歩いている)、この「アイーダ」という名前もちょっとオペラちっく。さすがイタリア! そして彼女が探している男の弟役にジャック・ペランが登場。『ニュー・シネマ・パラダイス』のときは、単純に童顔のおじさん、という感じだったけれど、若いときの彼はさらに輪をかけて子供ちっく・・・(笑)。なんだかしらないけれど食べてしまいたいくらいかわゆい。彼はこんな頃からちゃんと活躍してたのね、なんて、ちょっと感心してしまったわたしでした。 |
現代の英雄UN EROE DEI NOSTRI TEMPI 1955年/日本未公開作品/監督マリオ・モニチェッリ/出演アルベルト・ソルディ、ジョヴァンナ・ラッリ ★★★ |
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イタリア版マザコン映画。これはおかしい!疑り深くて臆病なキャラというのが、映画になるとこんなにおかしいなんて。男はみんなマッチョばかり、という雰囲気のイタリアで、裏にはこんな面もあったのかとちょっと新しい発見。これは日本初公開となる作品だけど、作品としてはずば抜けておもしろいって訳でもなく、ちょっと普通っぽい笑いが日本に入ってこなかった理由かな。普通に楽しめて普通に笑える映画。ラストのドタバタは具たっぷりのイタリア・パスタ風。うまいっ。
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高校三年TERZA LICEO 1953年/監督ルチアーノ・エンメル/出演ジュリア・ルビーニ、イザベッラ・レーディ ★★ |
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わたしが高校生のときはこんなだったかな?とふと思いだしてしまった。
いやいや全然違うぞ。わたしが高校三年生のころはもっとお茶目だったはず。イタリア女って本当に色っぽい、彼女たちは顔だけじゃなくて、まず体から入ってくるから怖い(笑)。 この作品は、卒業試験を目前に控えた高校三年生の人生模様を描いている。階級もさまざまで、いろいろな趣味嗜好の若者たちが実に清々しい。毎日車で送り迎えをしてくれるブルジョア娘、政治に熱を上げる青年、生活費を稼ぐため学校の帰りに仕事する女の子、平然と二股かける女の子・・・ でも、ある意味、高校時代って、階級や社会的地位で人が振り分けられる前の、こんな雑多な人間の集団だったかも。 |
こんなに悪い女とはPECCATO CHE SIA UNA CANAGLIA 1954年/日本未公開作品/監督アレッサンドロ・ブラゼッティ/出演ヴィットリオ・デ・シーカ、ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ/原作アルベルト・モラヴィア ★★★★ |
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イタリアにしかないイタリアならではの傑作泥棒喜劇。20歳のぴっかぴかのソフィア・ローレンが登場! 彼女が出てくると、まるで画面いっぱいにひまわりの花が現われたよう。体も顔も誰にも負けない、誰にも似ていない。そして、そんな彼女にうまいこと騙され繰られる男はもちろん?マルチェロ・マストロヤンニ。今回彼は人のいいタクシーの運転手の役。作品全体に渡って繰り広げる二人のテンポの良い会話(=笑い)が最高。笑って腹痛くして終わった96分。これが日本未公開作品だったとは!何やってんだーっ!日本の配給会社はーっ!
もうひとつおもしろかったのは上映後の観客の顔・・・なんていったって、みんな笑いがとまってない(笑)。会場が明るくなっても高揚したまんまのみんなの面々を見るのがさらにおもしろかった(わたしもか?) |
慈悲なき世界SENZA PIETA 1948年/日本未公開作品/監督アルベルト・ラットゥアーダ/出演カルラ・デル・ポッジョ、ジョン・キッツミラー、ピエール・クローデ、ジュリエッタ・マシーナ ★★★ |
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時代は第二次大戦直後。弟を捜すためにフィレンツェからイヴォルノへとやって来た女アンジェラと、彼女を慕うアメリカ人の黒人将校ジェリーの、まさに「散りゆく花」のような映画。
なんだかイタリア映画を観ている気がしなかった。戦後の日本を描いた作品でもこんなのがありはしないか。戦後の混乱の時期には、闇市がはびこり、ヤクザがいて、売春組織がある。明日はどうなるかわからないという不安定な時代では、皆が、支えを、安らぎを、愛を求めるのは当然。そしてそれはヤクザの親分だって同じこと。アンジェラが黒人将校と親しくしているのを引き離すため、練った策で二人とも死んでしまう。そして彼女のことを愛していた親分が帰りのボートの中でぐったりうなだれるのだが、彼の、このうなだれ方がすごい! こんなに直球で人生に絶望した人間を描く作品も少なくない。 |
白い天使L'ANGELO BIANCO 1955年/日本未公開作品/監督ラッファエッロ・マタラッツォ/出演アメデオ・ナッツァーリ、イヴォンヌ・サンソン ★ |
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うう〜、おもしろくないってわけじゃないけれど、観ていてちょっとつらかった。問題は主役の男の傲慢さと自分勝手なキャラ。彼のせいで一人の女の一生がだめになったって、彼はちゃあんと立ち直って人生を歩んでいくんだろうな〜と思うとつらい。
これは、一人の女性(息子をなくして尼になった)が忘れられずにいる男が、ふと出会った女の人がその忘れじの人に似ているもんだから、持ち前の強引さでお近づきになるんだけど、やっぱりしょせん他人は他人。そして、その代りになっちゃった女性は彼の子供を身ごもりながら堕ちていってしまう。これはある意味、イタリアのマッチョ精神を具象化したような作品。でも最後の、刑務所での出来事のシーンは素晴らしく幻想的だったぞ。 |
トトのイタリア自転車レースTOTO AL GIRO D'ITALIA 1948年/日本未公開作品/監督マリオ・マットーリ/出演トトことアントニオ・デ・クルティス、イサ・バルツィッア、カルロ・ミケルッツィ/音楽ニーノ・ロータ ★★★★ |
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イタリア一周自転車レースに勝ったら結婚するわ、その一言でトトは自転車レースに挑戦、ろくに乗れもしないのに、でもこれはイタリア映画、好きな女と結婚するためだったらなんでもする、イタリア男だもの。これはおかしなおかしな喜劇。でも主役のトトなる人物、なんだかちょっと可笑しいぞ、時々目をキョロキョロさせ、お髭をつまんでちょっと考えてみたりするその顔は、まるで遺伝子操作を組み違えたサルバドール・ダリのようだ。
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にがい米RISO AMARO 1949年/監督ジョゼッペ・デ・サンティス/出演シルヴァーナ・マンガノ、ラフ・ヴァローネ、ヴィットリオ・ガスマン ★★★ |
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ストーリーはちょっと複雑。だからあえてここでは書かないが(笑)、この作品の第一の魅力は主役となる女性シルヴァーナ・マンガノ! 冒頭、彼女が、その視線もあやしげに腰をくねらせて踊るシーンがある。女のわたしでもドキドキしてしまうほど官能的。どうやったらあんな感じに踊れるのだろう、などとわけもなく考えてみたりして。そして全編を通して彼女のナイスバディに惹きつけられてしまう。(さあ、元気のなくなった男性諸君、シルヴァーナを見てもう一度明るい人生を歩もう!)
ラストは悲劇、悪党に翻弄され、金に欲を出すとそこには哀しい結末が・・・という、ある意味、想像通りの結末だけど素晴らしい作品。 |
マロンブラMALOMBRA 1942年/日本未公開作品/監督マリオ・ソルダーティ/出演イザ・ミランダ、アンドレア・ケッキ ★★★ |
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ちょっとオカルトが入っている。身内が死んで頼る人が誰もいなくなった侯爵令嬢マロンブラ。彼女が引き取られて行った先は湖畔沿いの孤島というのもかなり怖い。おまけにキワドイ家系伝説まである。彼女は、彼女の先祖にあたるチェチーリアという伯爵夫人が幽閉されていたという気味の悪いお部屋で過ごすことになるのだが、だんだんと、そのチェチーリアの「影」に取り憑かれていくマロンブラ。最後の方の、招待客の誰もいない嵐の晩の会食シーンはひどく怖い。そして風がびゅんびゅん吹き荒れているのに、蝋燭の火はちゃんと灯っていたのもちょっと怖い。
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ミラノの奇蹟MIRACOLO A MILANO 1951年/監督ヴィットリオ・デ・シーカ/出演フランチェスコ・ゴリサーノ、ブルネッラ・ボーヴォ、エンマ・グラマティカ、パオロ・ストッパ/カンヌ国際映画祭グランプリ・審査員特別賞受賞 ★★★★ |
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冒頭に現われるキャベツ畑のシーン、まずこれで脱力する。おばあちゃんが赤ん坊を発見するのだ。このシーンだけで、この映画がどんなにおもしろいか分かろうというもの。その赤ん坊は「トト」と名づけられ、善良で陽気な男に育っちゃう。これはイタリアの天然喜劇。いや、「喜劇」なんていう普通の言葉は当てはまらないかもしれない。トトが次々と見せる「奇蹟」がすごく漫画ちっくで楽しい。貧民街の人たちがほうきに乗って空を飛ぶシーンなんかは、ワイヤーが丸見えで、すごくアナログ的だけど全然憎めない。でも中にちょっと社会批判なんか組み込まれていたりする箇所もあったりするのはさすが。ただ陽気なだけじゃないのね、イタリア人は。
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