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The 11th Tokyo International Lesbian & Gay Film Festival 2002年7月31日〜 8月4 日 東京・青山スパイラル |
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さて皆さん、夏真っ盛りのこの時期にこれなくして映画を語るなかれ。クイアの手によるクイアのためのクイアたちが群れ集う「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」。愛する人といっしょに手に手を取り合って青山の街を闊歩すれば暑さも吹っ飛び、こころ涼しく、二人のからだもかき氷。もちろんクイアだけでなく、あたいみたいなヘテロだって、ひとたびこの群れに混じって映画を見れば、一生忘れないひとときを過ごすこと間違いなしだあ・・・? 今年の映画祭の印象はひとことで言ってしまうと「無難」「人畜無害」。 今年はわたしのスケジュールがなかなか合わず、4作品だけしか鑑賞できなかったのであまり大きなことはいえないが、昨年度(2001年)のプログラムに比べると、全体的に、良い作品ではあったのだが、地味で普通の作品が多かったように思う。いまひとつ斬新さに欠けるというか何というか、個人的にはもっと強烈なものが欲しかった。 それに、クロージング作品上映前にはスタッフみんなが会場に出てきてご挨拶・・・とここまではいいんだけど、最後にスタッフより映画祭のディレクターに花束贈呈ときた。おいおい、ちょっと違うんじゃない? ゲストに花束贈呈ならわかるけど、スタッフがディレクターに花束とは。映画祭は観客主体じゃないのかい? 別に花束が欲しくてこんなこといってる訳じゃないけれど、これじゃあまるで学園祭のノリじゃん。内輪で労をねぎらうのはできれば舞台裏でやって欲しかった・・・・と、楽しませてもらって勝手なこといってますが、まあ、ぶつぶついってないでレビューにいってみましょう。 この映画祭の公式HPはこちらです。 |
| Km.0『キロメートル・ゼロ』★★★ 2000 年/スペイン映画/監督ファン・ルイス・イボーラ、ジョランダ・ガルシア・セラーノ |
いっや〜、盛り上がった盛り上がった!オープニングを飾る作品だから、どんなに笑わしてくれる映画だろうと思っていたら、冒頭の、登場人物の描写が淡々と描かれていたのを除けば、5分おきぐらい、至る所に笑いネタが。 劇場公開されたら、こんな箇所までぜったい笑わないだろうと思うシーンにまで、わたしも含め観客のみなさん大笑い。しまいには男のヌードが出てくるだけで笑う、という盛り上がりぶりだ。これが映画祭の良いところだと再確認。 お話は、スペインのマドリッド「キロメートル・ゼロ」という場所で7組のカップルが(でもお互い顔を知らない)待ち合わせをする。それも同じ時間に! 当然のごとく相手を取り違え・・・タコス状態となる。どんな笑いかはこのあたりで想像がつくかも。取り違えた相手と話が食い違い、何か変だな?と思ったときにはすでに遅し、相手に情が移って離れられない。この辺のところはいちいち想像できるだけに、可笑しさは半減するかと思いきや、なんの、入り乱れた人間たちがおもしろいもんだから、最後までテンションが下がることはなかった。笑作。 |
| Julie Johnson『ジュリー・ジョンソンの脱主婦宣言』★★ 2000年/アメリカ映画/監督ボブ・ゴッス |
なかなか感じ入ってしまった。主婦しかしたことない女性ジュリーが、本格的に、前から好きだった科学の勉強をし始めたときから何かが狂い始める。旦那とは別れ、新しい恋人(♀)もでき・・・。 でもわたしの目から見れば、本来の道から外れてきた今までの人生を軌道修正していったような感がある。 この主婦を演ずるのがリリ・テイラー。この人好きなんだわ、わたし。『アンディ・ウォーホルを撃った女』などにも出ていて、いつもちょい変わった役で出てくる。久しぶりに画面で見られてうれしかった。相手役の女性(コートニー・ラヴ)もなかなか官能的。田舎に住むちょっと野暮ったい金髪美人を好演し、最初は何だかやな女だなと思って見ていたら最後には好きになっていて(やば・・・)不思議な魅力を持つ役者だった。レズビアンのラヴシーンは、今まで見た中で一番きれいかもと思うほど美しかった。 |
| All over the guy『オール・オーバー・ザ・ガイ』★ 2001年/アメリカ映画/監督ジュリー・デイビス |
ふつうの映画だった。お話もふつうで、役者のレベルもふつう、ゲイの男の美しさもふつうで、笑いのツボもふつう。わざわざ映画祭に来たのにこんなふつうの映画を見せられるとは思ってなかったのでちょっと悔しい。クリスティーナ・リッチがちょい役で出てくるとパンフに書いてあったので期待してたが全然よくなかった。純粋に愛する人を求めているゲイと、一人の男に決められないゲイ、二人が紆余曲折しながらも、お互いの距離を縮めていくというお話だけど、この二人の親友それぞれがストレートの男女なのがおもしろいといえばおもしろい。凡作。 |
| Family pack『女たちのアポロ時代』★★★★ 2000年/ベルギー=カナダ=フランス=スイス映画/監督クリス・ヴァンデル・スタッペン |
カナダのモントリオールで暮らしていたレズビアンのサシャ、恋人や友人にせかされてベルギーにいる家族の元へ行ってカムアウトするつもりだったが・・・しかし彼女を待っていたのはくせ者揃いの家族。特に強烈なのはサシャの母親。思い込みは激しいし、人のいうことは聞かない、自分勝手に娘のことを決めてしまう。また、ここぞとばかり悦に入ったジェスチャーも見逃せないが、こんな母親をもったら大変だ。誰だって素直には育たないでしょ!とツッコミを入れたくなるほどものすごいワンマンぶり。平凡な母親を持ってわたしは仕合わせだったと思うひとときだった。でももっとすごかったのが、サシャと妹エルザとの喧嘩のシーン。障害者として生まれてきた妹エルザは教育も満足に与えられず生きてきた。当然姉のサシャに対する嫉妬や恨みを心の中にため込んでいる。それがついに吹き出し、「こびと!」「レズ!」と互いに罵り合うほどの喧嘩となる。これがすごい。普通だったら、相手が障害者だったら遠慮のひとつもしようものを彼女たちはそんなこと全くお構いなし。最後には胸ぐらつかんで叫び合うほどになり・・・とこれを見てふと思った。レズやゲイとストレートな人間、健常者と障害者との違いはいったい何なのだろう? 相手と本音でつき合っていけば外見の違いや好みの問題など薄っぺらでどうでもいいことではないか。この作品は、一見、レズビアンを扱った題材ではあるけれど、実はもっと広い範囲での、人間同士の差別や偏見の問題を題材にした映画なんだと思った。監督は『ぼくのバラ色の人生』の脚本家クリス・ヴァンデル・スタッペン。秀作。 |