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TOKYO FILMeX 2002(新・作家主義国際映画祭)
2002年12月1日〜 8日 東京・有楽町にて



個々の映画の感想に入る前に今年のフィルメックスについてちょっとひとこと。

わたしは今回全部で10作品を鑑賞。 今年のフィルメックスは、一言でいうと、ひたすらハードな映画祭でした。 これはもしかして、わたしがセレクトした作品だけがそうだったのかもしれませんが、一瞬たりとも息を抜く暇もなく、ただただ“観る”ことを要求された映画祭でもありました。どれもこれも、見事に作家性の強い作品ばかりで、かなり自閉症気味の感が強い。 なるほど、東京フィルメックス、第3回目にして、本当はこれがやりたかったんだな、と思わせるひとときでもありました。 もはやこの映画祭では“ストーリーを語る映画”というのは意味をなさないのかもしれません。ストーリーに重きをおかない作品というのは、ある意味、観る側それぞれが、それぞれの精神を映画のなかで解き放ち、ひとこまひとこまを自由に動き回れるものですが、逆に、おのおのの精神に独創性がないと、意味不明のまま作品の外に放り出せれてしまい、かなり疲れ果てることになります。
個人的にはこの手の作品がきらいではなく、むしろ好んでみる方ですが、でもそれも度を超え過ぎるといかがなもんか。わたし的には、ストーリー性のある作品と、このようなわけわからん映画とが半々の割合がいいと思うのです。

そんなハードな状況のなかで、今年一番の収穫だったのは、今年のベルリン映画祭でも銀熊賞(監督賞)を受賞し、本映画祭でもクロージングとして上映された『月曜日に乾杯!』の監督オタール・イオセリアーニが会場に来てくれたことでした。 前作『素敵な歌と舟はゆく』に惚れに惚れ込んだわたしは、もう、うれしさちょちょぎれ、涙あふれまくりです。 まさか来てくれるとは思わなかったので、上映後のQ&Aはそそくさと最前列の席を陣取り、イオセリアーニを目の前にして、彼の発する言葉ひとつひとつを確かめながら、この上ない至福のときを味わわせていただきました。

映画についていえば、一番見応えがあったのがアモス・ギダイの『ケドマ』、そして一番好きだったのが『右肩の天使』。理由はたったひとつ。この二作品は、今のわたしにとって旬な題材を扱った作品だったからです。
『ケドマ』はイスラエル×パレスチナ問題を取り扱った作品で、同じ題材を取り扱ったドキュメンタリー『プロミス』で深い感銘を受けて以来、この二国間の問題が単に遠い国の出来事ではなくなったような気がするからです。映画そのものはかなり重たい、けれどすばらしかった。
そして『右肩の天使』の方は、わたし好みの少し神秘めいたエピソードがあって、さらに
今年になって発見したイラン映画の延長線上(タジキスタンの作品)にある作品だったからです。

尚、この映画祭はコンペティションが行われています。 結果は以下の通り。
観客賞『曖昧な未来・黒沢清』
最優秀作品賞『ブリスフリー・ユアーズ
審査員特別賞『右肩の天使

わたしは運良く、上記の内2作品、『ブリフスリー・ユアーズ』と『右肩の天使』を観ることができました。 コンペ作品は3作品しか観ていないのにもかかわらず、受賞作品2作品を観られたのは、全く幸運としかいいようがない。 わたしには映画の神様がついているのかもしれない。 これに気をよくしてまた来年も!・・・と365日前から期待に胸をふくらませていたりします。



『生きる』『右肩の天使』『ブリスフリー・ユアーズ』


【1】『エルミタージュ幻想』『オアシス』『マラソン』 【2】『ケドマ』『月曜日に乾杯!』


特集上映(知られざるロシア映画)
『再生の街』
★★★
監督ウラジミル・ヴェンゲロフ
『夕立ち』
★★★
監督マルレン・フツィエフ



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