CAHIERS DU CINEMA 2006
第11回カイエ・デュ・シネマ週間

■2006年1月20日〜29日
■東京・飯田橋「東京日仏学院エスパス・イマージュ」
■上映作品選考:エマニュエル・ビュルドー(カイエ・デュ・シネマ編集長)
■ゲスト:アルノー・デプレシャン監督


上映作品

鑑賞したものにはレビューがあります(題名にリンク)
★4つが最高(個人的主観によるものです)



La Blessure
明るい瞳 ★★★
Les Yeux clairs
その時がやってきた ★★☆
Voici venu le temps
夢見た人生とはいえないけど
C'est pas tout a fait la vie dont j'avais reve
シンディ、お人形は私のもの
Cindy, the Doll is Mine
若き警官 ★★★
Le Petit Lieutenant
追いつめられて
Aux abois
描くべきか愛を交わすべきか
昨年のフランス映画祭にて観賞
Peindre un faire l'amour
目に見えないものたち ★★★
Les Invisibles
エスターカーン めざめの時
ビデオ観賞時レビュー
Esther Kahn
キングス&クィーン
Rois et reine
“男たちと共に”演技するレオ
昨年のカイエ・デュ・シネマ週間にて観賞
Leo en jouant "Dans la compagnie des hommes"




明るい瞳
■2005年■監督ジェローム・ボネル■出演ナタリー・ブトゥフ、ラース・ルドルフ、マルク・シティ
2005年フランス映画祭上映作品。2005年ジャン・ヴィゴ賞受賞作品。日本語字幕付きの上映。

ちょっと「変わり者」とされている女性ファニー。彼女の、その変わっている部分というのは遺伝的な病によるものか、それとも単に性格的なものか、映画の中でははっきりとはわからない。薬を飲むシーンが何度かあり、感情を抑えられなくてキレる場面もあるが、だからといって、彼女が病気だとは限らない。両親の死後、兄・兄嫁と同居、自分は老人の世話の仕事をし、これといった趣味もなさそうだ(ピアノを弾くシーンはあったけど)。田舎町に住みエネルギーのはけ口もなく、遊びといったら近所の、客はみんな顔なじみのバーで飲むこと(ちょっとウザい)。兄は兄で几帳面で極端なきれい好き、だらしなく散らかった妹の部屋を勝手に片づけてしまうというイヤラシサ。こんな環境じゃあ誰でも気が滅入ってくるわいな、とわたしなんかおもう。 つづきを読む



その時がやってきた
■2005年■監督アラン・ギロディー■出演エリック・ブニョン、ギヨーム・ヴィリ、ピエール=ルイ・カリクスト
フランス語のみ、字幕なしでの上映。

とても風変わりな映画。登場人物のしゃべりや仕草にちょっと芝居がかっている印象。話の流れや会話などは、字幕なしで見たためか、いまひとつ把握できない。それでも、この作品が、なにも演出しないことが逆に演出となり、個性的かつ独創的であることはよくわかる。
野蛮で残酷な「山賊」たちの存在、村を統治しているらしい「貴族」、そしてその村を守っているらしい「戦士」たち、そしてそのなかに「革命家」たちが混ざり、物語は進んでいく。武器は、銃のようなスタイリッシュなものではなく、短刀やナタなどの刃物を使っての戦い。山賊というものの存在からして中世を舞台においた物語のようにもおもえるが、でも登場人物の格好は中世のそれではなく、岩に空いた穴に電話線をさしこんで通話するという奇怪な行為などにも表わされるように、現実のものではないわざとらしさが舞台を見ている印象を生み、ふとストローブ&ユイレの映画を思い出してしまった。以前フランス映画祭で上映されたアラン・ギロディーの『勇者に休息なし』は評判がよかった作品のひとつ。どこかで再上映されることを期待したい。



若き警官
■2005年■監督グザビエ・ボーヴォワ■出演ナタリー・バイ、ジェリル・レスペール、ラシュディ・ゼム、アントワーヌ・シャピー、グザヴィエ・ボーヴォワ
フランス語のみ、字幕なしでの上映。

先に観た『その時がやってきた』とちがい、字幕ついてなかったけどよくわかった。話が、わたしが見慣れているポリシエものというのもあるけれど、台詞がすべてわからなくても理解できたのは、ひとえに映画自体よくできているからだとおもう。それでも、ひとくちに「ポリシエもの」と言って割りきれないところがこの映画のよさなのだろう。それぞれのシークエンスが無理なく観られたのは幸い、役者それぞれが硬派かつ実力派、安定した演技がみられたと同時に、全体的に地味だけど質が高いという印象の作品でした。 つづきを読む



目に見えないものたち
■2005年■監督ティエリー・ジュス■音楽アンドリュー・シャープレイ■出演ローラン・リュカ、リオ、マイケル・ロンスダール
監督はカイエ・デュ・シネマ誌の元編集長。英語字幕付きの上映。

個人的には好きな傾向の映画。音楽というよりむしろ「音の探究」のために生きているミュージシャンのブリュノ。このブリュノをローラン・リュカが演じ、持ち前の眼力で映画全体に一種あやしげな影を落とす。それに加えて、ミカエル・ロンスダールがブニュエル的なアパートの管理人として登場し、さらなる変質性をつけ加える。この映画は、ローラン・リュカとミカエル・ロンスダールふたりの凡庸でない存在が見物、そしてまた、これはひとりのミュージシャンの、音の探究と発見、創作していく過程を描いた映画でもある。 つづきを読む


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