ソウル・オブ・マン ★★★★

■六本木ヴァージン・シネマズ■THE SOUL OF MAN■2003年■アメリカ■監督ヴィム・ヴェンダース■出演スキップ・ジェイムス、J.B.ルノアー、ブラインド・ウィリー・ジョンソン
もう、にやにやしまくりの1本。観ている間中、顔がゆるみっぱなしだった。たのむ、誰かどうにかしてくれ。

スキップ・ジェイムスとか、J.B.ルノアーとか、ブラインド・ウィリー・ジョンソンとか知らなくても、充分にうれしい。充分に感動できる1本。というか、この映画を観れば、彼らがどういう人たちだったかわかろうというもの。
ヴェンダース、昔から陰気なやつだと思ってたが、こんな素敵なブルースマンたちを教えてくれてありがとう。

この映画は、監督ヴィム・ヴェンダースにとってのブルース・ヒーロー、スキップ・ジェイムス、J.B.ルノアー、ブラインド・ウィリー・ジョンソンの3人を、実写と記録フィルム(もちろん音も!)を取り混ぜて編集したもの。
ピックアップされた映像はめったにお目にかかれない貴重なものばかりで、音楽ファンならば見てぜったい損はしない。というか、観ましょう。特に60年代あたりの、ブルースに強く影響を受けたロック音楽を良く聴いている人は涙ちょちょぎれかもしれません。

この映画のチラシにもなって、パンフレット(↑写真をクリックすると大きく見られます)の表紙にも載っている人は誰だろう?と思っていたら、かつてブルースマンとして活躍していたスキップ・ジェイムスという人だった。長い間行方不明になっていた彼が、病院に入院しているところを発見され、30年ぶりに聴衆の前(64年のニューポート・フォーク・フェスティバル)で歌ったときの写真がこれ。
それを知ったとき、この一枚の写真はわたしにとってかけがえのないものになってしまった。かっこいい。題名は忘れたが、このスキップ・ジェイムスが歌う、悪魔になってもいい〜 あの女の男になるためだったら〜 という曲はしびれます。ソウルも脳みそも溶けてゆきます。彼の歌声とだったら心中してもいい。

また個人的に好きだったのは、J.B.ルノアーというブルースマンで、なんいうか、この人の雰囲気自体がすごくおもしろい。世に二人といない独特なキャラで、歌声も女みたいな高いファルセット(ソプラノ? 笑)。別な意味で一度聴いたら忘れられない。

そしてこの映画のもうひとつの見どころは、この3人のブルースマンが歌ってきた曲を、現在のミュージシャンたちがカバーして歌うところ。今回改めて演奏して撮られた曲もあり、昔ステージで歌っていたときの記録フィルムもある。
かつて、誰かが歌ってきた曲を、現在に繋げる。ヴェンダースの、こういう映画の見せ方は好きだ。音楽というものは、曲そのものだけが受け継がれていくのではなく、その曲のなかで歌われている魂が輪廻してゆくのだ。そこには世代間の乖離などは存在しない。音楽を聴くときに常に感じる感動の一瞬である。


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