| cinema 孤高 LES HAUTES SOLITUDES [フランス] |
| 映画は、まさに光の芸術 粒子のあらい影にひとたび光が投影されると そこには美しさを通り越して なにかいいいれぬ畏れと憧れによって見るものを魅了する 監督フィリップ・ガレル 80分間、音もなくストーリーもない 白黒で撮られたこれは、映画というより映像詩に近く サイレントというより夢の中のようだ 光の中に映しだされるジーン・セバーグ ぎょっとするほど様変わりしたその顔には かつて、『勝手にしやがれ』や 『悲しみよ、こんにちわ』などで見せた輝きは消え失せ ただただ生きるのがつらく、疲れ果て その心は、なにをもってしても癒されず 瞳の中には悲しみと荒廃がいりまじっている かつて、これほどに虚無におそわれた笑顔を見たことがあるだろうか 彼女は自分のために微笑むのではなく 見つめ続けるものを安心させるために微笑む もう一度『勝手にしやがれ』のパトリシアを見て 彼女の微笑みがどこから変わってしまったのだろうと 探ってみたくなった |